一般社団法人日本小児内分泌学会が主催し、ノボ ノルディスク ファーマ株式会社が後援する未来開拓研究助成は、小児期の成長・発達・成熟に関する基礎的・臨床的研究の支援を目的としており、2015年に公募がスタートしました。2024年度未来開拓研究助成は2024年3月1日~7月12日の期間で募集され、このたび、一般枠6名/スタートアップ枠1名の受賞者が決定いたしました。

一般社団法人日本小児内分泌学会の理事長で、未来開拓研究助成金制度の責任者である慶應義塾大学病院 臨床研究推進センター長/慶應義塾大学医学部教授 小児科学教室 長谷川 奉延 先生は、今回の受賞者決定について以下のように述べています。

「未来開拓研究助成金は2015年に創設されました。日本小児内分泌学会は、小児期の成長・発達・成熟を含む小児内分泌・糖尿病学に関する多種多様な疾患の診断・治療ガイドラインの整備を進めるとともに、近年の分子生物学的解析手法をいち早く取り入れ、これらの発症機序に関する先駆的な成果を世界に発信しています。未来開拓研究助成金は、さらにこれらの研究を推進し、医学的知識・技術の進歩を図りつつ、研究活動の成果を社会に還元していくことを目的としています。2024年度は15件の応募の中から、一般枠6件、スタートアップ1件が採択されました。受賞者には一般枠:1件につき上限200万円/スタートアップ枠:1件につき上限50万円の研究費が助成されます。応募いただいた研究はいずれも素晴らしい研究内容であり、受賞者はもちろん、応募頂きました全ての皆様の研究の発展を願っております。」

また、同助成を支援するノボ ノルディスク ファーマに対しては、次のコメントをいただきました。「日本小児内分泌学会の事業である『小児内分泌学における臨床医・研究者・教育者の育成』および『小児内分泌学の診療・研究支援』にご理解をいただき、未来開拓研究助成金に関してご協力をいただき、多大なご支援を賜りましたことに心より御礼申し上げます。」

2024年度の受賞者は以下のとおりです。


応募枠:一般枠

受賞者名 所属機関 研究課題名
宇都宮 朱里 広島市立北部医療センター安佐市民病院小児科・がんゲノム診療科 「RHHAD(-NET)症候群における診療ガイドライン作成に向けたレジストリの構築とエビデンスの創出研究」
志村 和浩 慶應義塾大学医学部小児科学教室 「組織特異的SAMD9ノックインマウスによるMIRAGE症候群の病態生理の解明」
鈴木 滋 旭川医科大学小児科 「先天性高インスリン血症におけるHK1 intron2の新規バリアントの機能解析を通じたHK1新規転写調節機構の解明」
谷川 渉 浜松医科大学小児科学講座 「性分化疾患・生殖機能障害発症における環境因子と遺伝的感受性の協調作用の解明」
野口 優輔 東京科学大学発生発達病態学分野 「臍帯由来間葉系幹細胞(UCMSCs)を用いた早産期の胎児発育不全におけるプログラミングの解析」
服部 淳 国立成育医療研究センター研究所 「皮膚線維芽細胞のクローン化によるアリル特異的SHOX 発現調節メカニズムの解明」

応募枠:スタートアップ枠

受賞者名 所属機関 研究課題名
和田 珠希 大阪母子医療センター 消化器・内分泌科 「プラダー・ウィリ症候群患者の肥満形成におけるマイオカイン・オステオカインの意義」

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