一般社団法人日本糖尿病学会が主催し、ノボ ノルディスク ファーマ株式会社が後援する若手研究助成金は、糖尿病研究の発展と若手研究者の育成を目的としており、2015年に第1回の公募がスタートしました。第10回若手研究助成金は2024年3月1日~3月22日の期間で募集され、このたび、10名の受賞者が決定いたしました。

一般社団法人日本糖尿病学会の常務理事(第10回若手研究助成金受賞者決定当時)で、第10回若手研究助成金の責任者である熊本大学名誉教授、菊池郡市医師会立病院顧問、熊本保健科学大学特任教授 荒木 栄一先生は、今回の受賞者決定について以下のように述べています。

「若手研究助成金は、我が国における糖尿病研究の発展と若手研究者の育成を目的として、日本糖尿病学会のアクションプラン「DREAMS」の1つである「研究の推進と人材の育成」を達成するために2015年に創設されたものです。第10回となった今回は40件の応募の中から、基礎部門7件、臨床部門3件が採択されました。受賞者には2年間で合計200万円の研究費が助成されます。応募いただいた研究はいずれも素晴らしい研究内容であり、受賞者はもちろん、応募頂きました全ての皆様の研究の発展を願っております。」

また、同賞を支援するノボ ノルディスク ファーマに対しては、次のコメントをいただきました。「これまでの10年間で合計100名の受賞者が支援を受け、その内4名が教授となるなど、若手研究助成金が日本の糖尿病研究や若手研究者の育成に大きく貢献していることが示されています。日本糖尿病学会の目的の1つである「我が国における糖尿病研究と若手研究者の育成」を目指した若手研究助成金に対しまして、ご理解をいただき、多大なご支援を賜りましたことを心よりお礼申し上げます。」

第10回の受賞者は以下とおりです。

基礎部門:7名(50音順)

磯谷 亮輔(東京大学医学部附属病院 糖尿病・代謝内科)
代謝シグナルによる幹細胞制御解明とその疾患への応用
角 朝信(富山大学学術研究部医学系第一内科)
脂肪組織常在性マクロファージの統合的理解による創薬シーズ創出
霍田 裕明(滋賀医科大学 内科学講座 糖尿病内分泌・腎臓内科)
scRNAseqを用いた絶食応答を標的とした新規DKD治療標的の探索
徳本 信介(関西電力医学研究所 糖尿病研究センター)
高脂肪食負荷時に空腹時血糖を改善させる未知因子の解明
長尾 博文(大阪大学大学院医学系研究科 内分泌・代謝内科学(代謝血管学寄附講座))
肥満・糖尿病病態における内分泌因子としてのエクソソームの機能とT-カドヘリンの新規作用機構の解明
MUHAMMAD FAUZI(京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学)
小胞体カルシウム放出関連分子に着目したインスリン分泌・肝糖新生調節機構の統合的解明
三浦 絵美梨(愛知医科大学医学部内科学講座 糖尿病内科)
クローン性造血と糖尿病性神経障害


臨床部門:3名(50音順)

川田 哲史(大阪大学大学院医学系研究科 内分泌・代謝内科学)
免疫チェックポイント阻害薬投与に伴う1型糖尿病の発症メカニズムの解明と血中可溶型PD-L1に着目した1型糖尿病発症予測ならびに癌治療効果予測
三小田 亜希子(国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター 母性内科)
本邦の妊娠糖尿病の病態解明と効果的な治療戦略の構築
中野 雄二郎(金沢大学附属病院 内分泌・代謝内科)
ヒトにおける膵α細胞インスリン抵抗性の評価法確立と臨床的意義の解明